2023年3月11日土曜日

となりにいたひと、となりにいるひと

こんにちは。担当の乃森です。
まずはこちらから。

==本日のりんご========
・無袋ふじ
・シナノゴールド
・スリムレッド
・ピンクレディー
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着実に雪解けが進み、季節は命が芽吹く春へと進んでいきます。


春の匂いをまとい始めた日差しも柔らか。


巡り巡る命のサイクル。
生命の営みはとどまることなく、力強く、繰り返されていきます。


フキノトウが顔を出したようです。
春がすぐそこに。

季節の移ろいに合わせてお店の様子も少しずつ変わっていきます。
りんごの収穫からもう3か月以上。





主に冷蔵庫などで保存されていたものが並んでいます。



りんごの畑は次の収穫へ向けた作業がもう始まっています。
この一年で伸びたりんごの枝を、今年の実りに向けて整えていきます。


今年の秋にはまたりんごの木に赤い実がたくさん。
これもりんごが次の世代へと種を残す命のサイクル。



大地に種をまくだけで、こうして緑が生まれてくることは、
深く考えるとそれだけで神秘。


生命の多様性にはいつも驚かされます。



その大地の恵みから、人は知恵をしぼってさまざまな文化を築きあげます。
ブドウを育て、小さな小さな菌の力を借りて、ワインを作ります。
これも命のサイクル。


ビッグバンの宇宙の誕生から、その膨大なエネルギーは、
姿を変え、形を変え、物質として、エネルギーとして、
誕生と消滅を繰り返しながら繰り返し繰り返し巡っていきます。

12年前に突如として失われた多くの命は、姿を変え、形を変え、
私たちの周りで、いやもしかしたら私たちの体の一部として、
巡り巡っています。
目を閉じて、一つの大きな命の渦の中にいることを考えると、
少し自分を納得させられたような。
いや、きっと納得しようとしているのだと。
考えても考えても答えの出ない突然の別れに、
なんとか答えを与えてほしい。
それはただの自己満足かもしれません。
ただ、季節の節目節目に、今ここにいたらどんなだっただろうと、
想いがふっと湧いてくる。
そしてまた答えの出ないことに頭を悩ませ、
なんとか自分を納得させようとしている自分に気がつきます。

自分にはなにかできたのだろうか。
あの時にこうしていれば何か変わったのだろうか。

声を思い出します。
今はいなくなってしまった人に想いを馳せるとき、
声を思い出します。
私を呼ぶ声。
なんでしょう。今度はどんな用事でしょうか。
いいですよ。そんな荷物はちょろいものです。
ん?今度はなんでしょう。
その操作はこのボタンを押してみてください。
ほら、動いたでしょう。
今度は私が呼びます。
ちょっとこの本借りていきますね。

目を閉じて、
ひとつの大きな命のサイクルの中にいることを考えると、
そうか、そこにも、あそこにもいるのかな、と。

今年もフキノトウが出てきましたよ。
もう少し春が進んだら、あの竹林にタケノコがまた出てきますね。
大丈夫。今年は私が掘っておきます。

12年目の今日に微力ながら祈りを捧げて。
いっしょにいてくれる人に、今日は少し多めに感謝。

お待ちしております。