2022年2月25日金曜日

絶望の入口

こんにちは。担当の乃森です。
まずはこちらから。

==本日のりんご===========
・無袋ふじ
・シナノゴールド
・ピンクレディー
・スリムレッド
=====================

誰でも間違うことはあります。
ましてや「北京で蝶が羽ばたくとNYで嵐が起きる」と言われるほど 
予測が難しい天候に関してはなおのこと。
「昨日で大雪のピークを越えた」と言われて、油断していたのがいけませんでした。
今季、雪の始まりに油断だけはするなと散々言っていた結果がこれです。
ピークを越えた昨日より積もっています。大雪にならないって言っていたのに。


さあ、これが絶望の入口です。

しかし私は昨日を以て除雪を引退している身。
今まで気力でなんとかしてきましたが、その気力も尽き果て、
体は悲鳴を上げています。
もう除雪は無理です。絶望の入口で私はただ立ち尽くすのでした。


ではお店の様子です。
これだけ雪が降ると生産者の方もなかなか出品にいらっしゃいません。
わざわざ出品いただいた皆様、ありがとうございます。

こちらは訳あり品です。無袋ふじですね。


小ぶりの赤いりんごはスリムレッド。サクサクっと丸かじりでどうぞ。
珍しいピンクレディーも並びます。海外で人気の品種です。


私イチオシのシナノゴールドです。
そろそろなくなってきましたかね。


無袋ふじです。朝日町の特産といえばこれ。


バラ詰めりんごです。
週末前だからか、時期が時期だからか、本日の入荷はかなり少ないです。
片手分くらいしか並びませんでした。


野菜たちを見てみましょう。
芽キャベツの仲間プチヴェールと、青菜が出ています。


アスパラ菜と、こっちにも青菜がありました。


こちらは小松菜です。
あまりの寒さになかなか大きくならなかった小松菜が
ようやくお店に出てきました。


本当に春が待ち遠しい。
ソメイヨシノは早ければであと20日ほどで咲く地域があるそうですが、
山形県はまだまだ先です。
まずは啓翁桜で桃色の花でも愛でようではありませんか。


除雪を引退した私に、ねぎらいの日本酒をいただきました。
本日はそれをいただこうと思います。

日本酒に合うおつまみってなんでしょう。
ハムとか燻製肉を合わせるのも結構好きです。


キムチも意外といいんですよね。
お店で人気のキムチは単に辛いだけのキムチではありません。
旨みがしっかりとあるのでお酒のアテにもいいです。


なんだかんだと乾きものが一番でしょうか。
噛めば噛むほど味わい深く、原材料が海産物ですから、
海産物って本当にお酒によく合います。


ナッツもいいんです。食べ始めると止まらなくなってしまうナッツ系。
一般的にはお高いつまみですね。
こちらは朝日町で採れたアーモンド。国産は珍しいです。


お酒の締めってなんでしょう。
ラーメンなどが筆頭ですが、さっぱりと蕎麦なんかもいいかもしれません。
麺類がいいですね。どうしても食べたくなってしまいます。


りんご冷麺、りんご温麺。
けっこうヘビーかと思いきや、ペロリといけますよ。


さて、絶望の入口に立ち尽くしていた私です。
もうほとほと嫌になり、スコップを動かす気にもなれません。
しかし開店時間は刻々と迫っています。

「乃森くん、どうしたのかね?」
「ああ、駅長おはようございます。今、絶望の入口に立って、
ただ立ち尽くしているのです。
もう私にこの雪を片付ける体力も気力も残されていません。
私は昨日で、除雪を引退させていただきました。」
「そうか。ご苦労だった。今年は特に大変だったからね。昨日で引退か。」
「私にはもうどうすることもできません。すみません。」
「謝ることはない。君はもう引退したんだ。」
「はい。」
「だが乃森くん、この絶望の入口はどうするね?このままではお店も開けまい。」
「はい。ですが・・・」
「いいかね。例えばこのままにしておくこともできる。だがお店が開き、
この雪の反対側に立つお客様はどうするかね。今君が感じているように、
この雪の反対側に立つお客様も絶望の入口に立っていることになるんだ。
これは君から見た絶望の入り口ではない。ここに来る全ての人に開いた
絶望の入口なのだよ。君がそこから逃げ出したとしても、なお、
絶望はあり続けるのだ。根本は何も解決してはおらん。」
「はい。」
「だがこの絶望を希望に変える手立てはある。それは君だ。乃森くん。
君だけがこの絶望を希望に変えることができる唯一の存在だ。」
「唯一の存在・・・」
「そうだ。君だけなのだ。この絶望を変えることができるのは。
思い出し給え。昨日までの闘いの日々を。傷つきながら苦しみながらも、
君は常に勝利してきたではないか。ご覧、今は一面の銀世界でも、
そこに君がスコップの一筋を入れれば、そこには地面という希望が見える。
一筋が二筋、二筋が三筋になれば、地面はさらに広がっていく。
ただそれを続ければいい。今まで君がしてきたように。」
「はい・・・」
「『始まり』があれば『終わり』が来る。そう、今君が始めれば必ず終わる。
乃森くん、それができるのは君だけだ。」
「わかりました。今日だけ、今日で最後です。駅長がそれだけ言うのであれば。
私がこの絶望を希望に変えましょう。」
「そうだ。その意気だ。頼んだよ、乃森くん。君しかいない。」
「はいっ!!」

そして絶望は希望へ。




「ところで駅長。一筋のスコップならば、
この私でなく駅長でもできたのではないでしょうか。」
「何を言うのかね。君しかできんことだったのだよ。」
「何故でしょうか。連日の闘いで、作業に慣れているということですか。」
「いや、技術云々ということでもない。」
「では、何故私が・・・」
「いや、乃森くんしかいないでしょうが。こんな面倒くさい作業できるの。
なんか苦労話とかよく似合うし、いつも大雪の時だけ出勤とかだし、
雪掻きしたってしなくたって給料いっしょなのにさ。 
まさに不幸を絵に書いたような人生じゃない。乃森くんにぴったり。」
「ぴったり・・・、ぴったりではなくて、
そもそも駅長は一体何をしていたのです?」
「ええ?君をやる気にさせて、あとコーヒー飲んでたよ。」
「コーヒー飲んでたよ、じゃないですよ。
手伝ってくれたっていいじゃないですか。」
「ええ~、面倒くさいし疲れるし、こういうのは君が一番ぴったりなの。
ブログのネタにもなるでしょ?」

本日、私は除雪を引退します。
もう雪が降らないことを切に願います。

入口前は綺麗に片付いております。
お待ちしております。