2022年3月11日金曜日

こんにちは。担当の乃森です。
まずはこちらから。

==本日のりんご==========
・無袋ふじ
・シナノゴールド
・ピンクレディー
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東日本を大きな揺れが襲ってから、本日で11年。 
この11年を、あの日を経験した人、あの日を知らない人、
それぞれの人がそれぞれの思いを抱えながら過ごしてきたことでしょう。

言葉はいつも思いに足りない。
どう伝えたらいい。どう語ったらいい。
思いを語るにはどうしたって言葉が少な過ぎる。
だから静かに祈ろう。
あの日に感じたこと。忘れられないこと。あの人のこと。
思い出したくないこと。忘れてしまったこと。
思いはまだある。

では、お店の様子です。
春の片りんが見えてきて、いよいよりんごも本当に終わりに近づいてきました。
本日のバラ詰めりんごの入荷はゼロ。


訳あり品です。
シナノゴールドが出ています。


こちらはピンクレディー。山形県では数名の生産者のみ。


無袋ふじです。
少なくなってきましたね。


続いて野菜たちです。
アスパラ菜と雪の中から掘り出してきた大根が並びます。


ネギと小松菜。


大きな葉っぱはロメインレタス。サラダだけでなく炒め物でにも使えます。


こちらの大きな葉っぱは青菜です。
隣りは芽キャベツの仲間、プチヴェール。


最近人気がうなぎ上りの凍み餅です。
調理前の凍み餅が並びました。左側の白いものですね。


さて、本日で東日本大震災から11年目を迎えます。
昨年の10年目を迎えたあたりから「風化」という言葉を目にするようになりました。
メディアに取り上げられることも少なくなりましたし、
あの年に生まれた子どもたちはもう中学生に迫る歳です。
これからは益々震災を知らない世代が増えていきます。

ですが震災はまだ終わっていません。
いまだ2千人を超える方の行方がわかっておらず、
その人を探し続けている人たちがいます。
原発事故の後始末は出口すら見えておらず、処理水の行方も平行線。
終わらない震災は至る所にあるのです。

山形県の小さな小さな道の駅、ここりんごの森でも終わらない震災があります。
春を迎えこれからシーズンの始まる山菜は、
原発事故による放射性物質の影響がいつまでもいつまでも続いています。
一部の山菜は国の安全基準に触れる可能性が高いので、販売などはできません。
秋に旬を迎えるキノコ類もその影響は大きく、販売に苦慮しています。
県内の2自治体では、天然キノコの出荷停止の指示が出ています。
その自治体で採れたキノコは販売することはできません。
それがいつここ朝日町で起こるか。
変わってしまった山野を取り戻すのは並大抵のことではありません。
人間には到底想像することもできないような巨視的な時間の流れが必要です。

人類の進歩は、「人類」と「他」の境界を著しく堅固にしてきました。
私たちのすぐ隣には自然があって、
しかもその自然の中に生きているということさえ忘れてしまうような。

豊かな恵みを与えてくれる海が、大地が、時として私たちに厄災をもたらす。
それは分かっていたことではありましたが、忘れてしまう。
自然はどちらも持っているんだということをつい忘れてしまう。
私たちはその中で生きているんだということを忘れてしまう。

人間はすぐに忘れてしまう。

大丈夫。まだ覚えている。

いなくなってしまった人たちに想いを馳せる時、
私は声を思い出す。
私の名前を呼ぶ声を思い出す。
声を思い出すと、昨日会ってきたかのような気持ちになる。
祖母の声、近所のおじさんの声、知人の声。

祖父の声を忘れてしまった。
どんなふうに私を呼んだのだっけ?
私はまだ小さかったから当然か。

東日本が大きく揺れた日。
まだ、まだほんの小さかった者たちの耳にも、
いなくなってしまった人たちが名前を呼ぶ声が聞こえていただろう。
どんな風に呼んでくれたのかな。
覚えていてほしい。

最近、突然に訃報を聞いた。
今でも全く信じられない。
声を思い出した。
昨日そこで会ったような気がした。

だめだ。
言葉はいつも思いに足りない。
だから静かに祈ることにした。