2022年5月12日木曜日

ある悲劇

こんにちは。担当の乃森です。

それは、ある悲劇なのです。
形容し難い感情が胸の内をぐっと掴み、
現れた一抹の悲しみに足を止めます。


朝出勤すると、燕の巣が落ちていました。
これから新たな命となって空を飛び回るはずだったものが、
無残にも地面に叩きつけられています。
なんということでしょう。
今年の春先に現れた燕は、昨年使われた巣をそのまま子育ての場と決め、
昨日まで営みが行われておりました。
ただこの巣は、とてもバランスの悪いところに作られていたのは確かです。
防犯カメラのケーブルを元に、絶妙なバランスで作られていたものでした。
「よくこんなところに作ったなぁ」と感心したのを覚えています。

ちょっとした一因がそのバランスを崩壊させ、
落下という結果になったのでしょう。
無常。
物事は常に変化しとどまりません。
遥か昔に仏陀が説いた世界の摂理を、私は思わずにはいられませんでした。

ではお店の様子です。

フキです。


花わさびが出てきています。
時期としてはもう終わりの方も多いのですが。


アイコです。
トゲのある山菜ですが、お湯に通すと問題ありません。
クセのない山菜です。


タラの芽とウコギが出ていますね。


細竹です。
根曲がり竹、姫竹などと様々な呼び名があるので、
戸惑うこともありますが、同じです。


孟宗竹です。
今年も大きなものがたくさん出てきています。


ワラビです。
これからまだ出てきますが、今年は入荷量が少ない印象です。


野菜たちも増えてきました。
レタス、オカヒジキなどが並んでいますね。


こちらにウドがありました。


ウルイとフキです。


アスパラガス、ニラ、小松菜ですね。


山の命は今躍動しています。
次から次へと新たな命が生まれ、育ち、まるで宇宙のよう。
一方で、燕の卵のように、わずか一瞬で失われてしまう命もあるのです。
生と死は本来は常に一体となるもの。
生が死であり、また死は生であるのです。
生命は常に循環し、消滅と再生を繰り返します。
それはこの宇宙が、わずか、ほんのわずかな一点から、
凄まじいエネルギーをもって一気に始まったように、
すべてはエネルギーの循環です。
エネルギーは質量に。質量はエネルギーに。
私の敬愛する祖母が荼毘にふされ、
煙となって天に向かう祖母の体は、
いつしか雨となって桜の花を咲かせるでしょう。
無常。
常に物事は変化しとどまりません。

それは、ある悲劇なのです。
のんびりとくどくどと訳の分からない思索にふけっているうちに
こんな時間になってしまいました。
やることリストのメモが朝からどんどん増えているというのに。
これはちょっとやばいです。
本当にまずいです。
仕事が終わらないかもしれません。
毎度のことながら、自分が招いたある悲劇なのです。

お待ちしております。